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2019年度 シラバス情報表示画面 (R00301)
■科目名
病態生理学 (2単位) [NURS113]
■教員名
中泉 明彦 (ナカイズミ アキヒコ)
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■開講期 秋期
■テーマ
病気の成り立ちの基礎知識を学ぶ
■授業概要
看護の実践に役立つ「病気の成り立ち(病態生理学)の基礎知識」を学ぶ。
患者の体に起きている変化を深く理解できるようにする。
疾病の回復を促進する医学的治療を理解するための基礎知識を習得する。
2年時に学ぶ診断治療学ⅠⅡを理解するために必要な内容であり、2年時にも診断治療学ⅠⅡを学びながら病態生理学を復習することが肝要である。演習・実習における看護過程の展開に必要な病態生理の理解の基礎となる内容である。
原則としてまず構造と機能の異常(病理病態)を、次に症状とその成り立ち(病態症候)を学ぶ。
まず【病理病態】として、体液の異常、血行障害、炎症と修復、免疫の異常、感染、変性・壊死・萎縮・老化、腫瘍、先天異常、代謝異常について学ぶ。
【病態症候】として、ショック、加齢と死、痙攣、運動麻痺、運動失調、意識障害、頭痛、睡眠障害、発熱・低体温について学ぶ。浮腫、倦怠感、呼吸困難、消化・吸収障害、貧血などについてグループで準備学習後、発表する。
■到達目標
1.体液の異常、血行障害、炎症と修復、免疫の異常、感染、変性・壊死・萎縮・老化、腫瘍、先天異常、代謝異常という観点から、それぞれの場合の構造と機能の異常(体に起きる変化)を説明できる(成績評価Bレベル)。
2.ショック、意識障害、痙攣、運動麻痺、運動失調、発熱・低体温、浮腫、倦怠感、呼吸困難、消化・吸収障害、貧血などの症状が、なぜ起こるかを構造と機能の異常(病理病態)から説明できる(成績評価Bレベル)。
3.ショック、意識障害、痙攣、運動麻痺、運動失調、発熱・低体温、浮腫、倦怠感、呼吸困難、消化・吸収障害、貧血などの症状を起こす疾患を列挙できる(成績評価Aレベル)。
■共通科目または各学部ラーニング・アウトカムズとの関係
ヒューマンケアの基本に関する実践能力
根拠に基づき看護を計画的に実践する能力
特定の健康課題に対応する実践能力
ケア環境とチーム体制整備に関する実践能力
専門職者として研鑽し続ける基本能力
■担当する授業科目に関連した実務経験を有しているか、もしくは実務経験者が指導に関わっているか
はい
■担当教員の実務経験の内容
担当教員は全員、病院または診療所で働いている現役の医師で、臨床経験がある。
■実務経験に関連する授業内容
臨床現場の具体的エピソードなどを紹介することで、学生の興味を喚起し、人体の構造機能の理解が演習科目や臨地実習、卒業後の臨床現場で役立つことを含めて、講義する。
■授業計画・内容
回数 内容
1回目 講義内容
9/16(病理病態論):序論-人間の身体における本来の働きとその乱れ
キャンパス・アカデミック・ビジットで受験生が、一緒に講義を受けます!
事前事後
学習の内容など
教科書「1病理病態論の序論(p11~16)」を読んでくる。
2回目 講義内容
10/21
1体液の異常
事前事後
学習の内容など
教科書「1病理病態論の1体液の異常(p17~30)」を読んでくる。
3回目 講義内容
10/28
2血行障害・3炎症と修復
事前事後
学習の内容など
教科書「1病理病態論の2血行障害・3炎症と修復(p31~44)」を読んでくる。
4回目 講義内容
10/31
4免疫の異常・免疫疾患・5感染

事前事後
学習の内容など
教科書「1病理病態論の4免疫の異常・免疫疾患・5感染(p45~61)」を読んでくる。
5回目 講義内容
11/11(加塩信行先生)ショック
事前事後
学習の内容など
教科書「2病態症候論の6ショック(p124~131)」を読んでくる。
6回目 講義内容
11/18
6変性・壊死・萎縮・老化(加齢と死)・7腫瘍と過形成
事前事後
学習の内容など
教科書「1病理病態論の6変性・壊死・萎縮・老化・7腫瘍と過形成(p62~78)」を読んでくる。
7回目 講義内容
11/25
8先天異常・9代謝異常
Ⅱ(病態症候論)序論-身体の不調はどう現れるか
事前事後
学習の内容など
教科書「1病理病態論の8先天異常・9代謝異常(p79~94)」を読んでくる。(DVD:「目で見る病気vol.2病気と遺伝子」、「病気の成因・病態と治療 第5集 代謝の領域」が参考になります)
教科書「2病態症候論の序論-身体の不調はどう現れるか(p95~97)」を読んでくる。
8回目 講義内容
12/2課題発表1:1班~4班
主に体液の異常、腎・泌尿器の異常によって起こる6症状―(倦怠感)、浮腫、脱水、排尿障害、尿量異常、尿所見異常―
主に循環器の異常によって起こる3症状-胸痛、不整脈、チアノーゼ-
事前事後
学習の内容など
各班毎に班のメンバーで役割分担を決め、持ち時間15分以内で発表できるよう準備をする。
9回目 講義内容
12/5(根本正史先生)"脳の働きを支える神経活動"を探る2
事前事後
学習の内容など
根本先生からの配布資料を読んでくる。
10回目 講義内容
12/9課題発表2:5班~8班
主に呼吸器の異常によって起こる3症状-咳嗽・喀痰・喀血、呼吸困難、嗄声-
主に皮膚と骨筋系の疾患によっておこる6症状
-皮膚掻痒、レイノー症状、歩行障害、腰痛、関節症状、しびれ-
事前事後
学習の内容など
各班毎に班のメンバーで役割分担を決め、持ち時間15分以内で発表できるよう準備をする。
11回目 講義内容
12/12(根本正史先生)"学習と記憶のしくみ"を探る
事前事後
学習の内容など
根本先生からの配布資料を読んでくる。
12回目 講義内容
12/16課題発表3:9班~12班
主に消化器の異常によって起こる13症状
―腹痛、食欲不振、嚥下障害、嘔気・嘔吐、吐血・下血、便秘、下痢、黄疸、腹部膨満、腹水、(肥満、やせ)、(消化・吸収障害)―
事前事後
学習の内容など
各班毎に班のメンバーで役割分担を決め、持ち時間15分以内で発表できるよう準備をする。
13回目 講義内容
12/23課題発表4:13班~16班
主に血液疾患によって起こる3症状―貧血、出血傾向、リンパ節腫脹―主に感覚器系の疾患によっておこる6症状-めまい、視力障害、難聴、耳鳴、味覚障害、嗅覚障害- 
事前事後
学習の内容など
各班毎に班のメンバーで役割分担を決め、持ち時間15分以内で発表できるよう準備をする。
14回目 講義内容
1/6(根本正史先生)運動麻痺、運動失調、運動・感覚・脳神経の神経回路とその病態生理学(運動麻痺・失調・感覚障害・脳神経障害)
事前事後
学習の内容など
教科書「2病態症候論の27運動麻痺・28運動失調(p229~236)」を読んでくる。
15回目 講義内容
1/9(根本正史先生)意識障害、頭痛、睡眠障害、発熱、低体温、痙攣(睡眠の科学と生体の日内リズム、睡眠・覚醒の障害と意識障害、痙攣とてんかん、体温調節と発熱・低体温)
事前事後
学習の内容など
教科書「2病態症候論の24意識障害・25頭痛・26痙攣・(p211~228)・40発熱・低体温(p287~299)・46睡眠障害(p321~329)」を読んでくる。
■評価・試験方法
種別 割合 評価基準
定期試験
70%
客観試験(国家試験形式に准ずる)
中間試験
 
 
レポート
5%
課題発表した範囲の国家試験形式の問題を1問以上作成し、正解を示すとともに、解説をして冬休み明けに提出
実技・作品等
 
 
日常点(小テスト・課題等)
20%
積極的授業参加(発言・質問など)の評価点とweb上の復習テスト成績
その他
5%
班毎の課題発表(各班5~6名で構成)。課題内容は【病態症候論の担当項目の最後の「!考えてみよう」や「学習達成チェック」の項目を適切に選び、分かりやすく解説する。】①班の中で、発表への寄与度を学生間で評価する。(寄与度の高い1人6点、寄与度の低い1人4点、他のメンバーは5点とし合計する)②グループ毎に担当教員が「わかりやすさ」「ユニークさ」「班内協調性」「制限時間内に発表」の観点から評価する。①(2.5点満点)+②(2.5点満点)を課題発表の評価点(5点満点)とする。
備  考
web上の復習テストの成績が芳しくない学生にはレポート(復習テストの解説)課題を冬休みに出します。課題の目的は、加点を増やすためというよりも、しっかり勉強して、理解を深め、定期試験でよい点を取ってもらうためです。
A+評価の上限は全履修者の5%程度、(AとA-)評価の上限は全履修者の25%程度とします。
■評価方法: ABC評価
■教科書
 1.ナーシング・グラフィカ 疾病の成り立ち①病態生理学、山内豊明編者、メディカ出版、2013、第3版、4000円+税
■参考書
 1.わかりやすい内科学、井村裕夫編集主幹、文光堂、2014年、第4版、9000円+税
 2.新体系看護学全書別巻12病態と診療の基礎、小坂樹徳編集、メヂカルフレンド社、2007年、第1版、3600円+税
 3.系統看護学講座 病理学 疾病のなりたちと回復の促進①、坂本穆彦編集、医学書院、2006年、第4版、2300円+税
■履修上のアドバイス
自学自修の習慣を身に付けることが肝要です。
図書館の参考書の利用方法を修得してください。
質問があれば4F研究室へ来てください。
90分の講義1回当たり、予習・復習を合わせて2時間以上自習することを前提にしています。講義を聴講するだけでは単位を取得できません。
※毎週の授業に必要な学習時間(小テスト、レポート、課題など): 2時間
■アクティブラーニング実施の有無
あり
- グループワーク
- プレゼンテーション
■授業や自主学習支援にICTを活用するかどうかの有無
あり
- ポータルサイト(フォーラム、アンケート)を利用
- その他
ポータルサイトで小テストに解答して下さい。
■課題(中間試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける。
授業時間に限らず、ポータルシステムの機能や電子メールを利用してフィードバックをおこなう。
■授業で使用する言語
日本語
■担当者のプロフィール
東京大学理学部物理学科卒、東京大学大学院理学系研究科修士修了(理学修士)
大阪大学医学部卒、大阪大学医学博士
大阪府立成人病センター消化器検診科部長・肝胆膵内科部長
京都大学医学部人間健康科学科臨床検査学専攻教授
創価大学看護学部教授

 


     直リンクURL:  https://plas.soka.ac.jp/csp/plas/slb.csp?nd=2019&sm=2&mk=11&lc=92789