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2019年度 シラバス情報表示画面 (R46601)
■科目名
刑事訴訟法 (4単位)
刑事訴訟法 (4単位) [LAWP430]
刑事訴訟法 (4単位) [LAWP307]
■教員名
池田 秀彦 (イケダ ヒデヒコ)
科目名の後ろに水色で表示しているものは科目ナンバリングです
■開講期 秋期
■授業概要
刑事訴訟法は,刑事手続を規律する法律です。例えば,ある者が他人の家に忍び込んで,金を盗んだという場合に,この者の行為が何罪になり,どの程度の刑罰に値するかという問題は,1、2年次に学ぶ刑法の問題です。これに対して,刑事手続は,極めて大まかにいえば,現実に犯罪を犯したものが誰であり,また犯罪行為が具体的にどのようなものであったかを確定し,この確定したところに従って具体的に刑罰を科する手続です。
少し具体的にいえば,この刑事手続は,警察官が犯罪に気づいて捜査を開始するところから始まります。捜査の後,検察官が容疑者の裁判を裁判所に求めるかどうか、つまり起訴するかどうかを判断し,起訴した場合には,裁判所での手続,即ち公判手続が始まります。裁判所は,この手続を通して被告人が犯人であることの証明がなされたかを判断し,これが肯定される場合に刑罰を宣告します。このような一連の手続が刑事手続であり,これに関する法律を刑事訴訟法といいます。
 授業は、時折、受講生に簡単な質問を投げかけながら進めます。
■到達目標
刑事訴訟法の基礎的知識を体系的に理解し,習得する。
物事を様々な角度から、かつ論理的に考えることができるようになる。
問題解決に必要な知識・情報を適切な手段(六法、判例集、論文etc.)を用いて入手し、活用できるようになる。

■共通科目または各学部ラーニング・アウトカムズとの関係
わが国の法制度・政治制度の基礎となる価値観や基本原則を正確に理解しており、法律上または政策上の問題に対して具体的で的確な判断ができる能力
社会が直面する法律上または政策上の課題がいかなる性質のものかを正確に特定・分析し、そしてその解決のためにはいかなる選択肢がありうるのかを見極め、課題解決の方法を考え出し、わかりやすく伝えることができる能力
英語および第2外国語を学修し、諸外国の様々な価値観や利害の異なる他者の多様な見解を理解するとともに、意見の異なる他者との議論を通じ、コンセンサスを得るための努力をすることができる能力
身につけた知識を総合的に活用し、社会の中の新たな課題にそれらを適用し、創造的なアイデアを通してその課題を解決する方法を考えることができる能力
■授業計画・内容
回数 内容
1回目 講義内容
ガイダンス 刑事手続の流れ
 
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.1-9
2回目 講義内容
刑事手続の流れ・捜査
 刑事手続全体の流れのうち、捜査を中心として説明します。 
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.47-51/事後学習:授業内容を復習する。
3回目 講義内容
刑事手続の流れ・公訴提起と公判
 刑事手続全体の流れのうち、公訴提起(起訴)と公判(特に証拠法)について説明します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.167-171、295-298、304-306、310-313、367-372/事後学習:授業内容を復習する。
4回目 講義内容
刑事手続の流れ・裁判・上訴
 刑事手続全体の流れのうち、裁判、上訴について説明します。 
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.381-402/事後学習:授業内容を復習する。
5回目 講義内容
刑事手続の流れ・特別手続   小テスト1予定 
 刑事手続全体の流れのうち、再審、特別上告などの特別手続について説明します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.407-413/事後学習:授業内容を復習する。
6回目 講義内容
捜査の意義・捜査機関   
 犯罪の捜査をする機関の種類(検察官、検察事務官、警察官)とその相互の関係について説明します。 
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.15-17、47-51/事後学習:授業内容を復習する。
7回目 講義内容
捜査の端緒
 捜査のきっかけとなるものについて説明します。特に、刑訴法と特別法に規定されている、検視、自首、告訴、告発、請求、職務質問、自動車検問を中心に説明します。 
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.51-66/事後学習:授業内容を復習する。
8回目 講義内容
強制処分法定主義・令状主義、捜査比例の原則、任意捜査と強制捜査  小テスト2予定
 捜査のうち、任意手段を用いるものと強制手段を用いるものについて説明し、併せて任意手段と強制手段の基準について説明します。
事前事後
学習の内容など
 予習範囲:pp.66-72/事後学習:授業内容を復習する。
9回目 講義内容
逮捕・勾留(1)  
 逮捕の意義、種類、勾留の意義、被疑者勾留と被告人勾留の差異について説明します。
事前事後
学習の内容など
 予習範囲:pp.72-90/事後学習:授業内容を復習する。
10回目 講義内容
逮捕・勾留(2)   小テスト3予定
 逮捕前置主義、別件逮捕・勾留、一罪一逮捕一勾留等の逮捕勾留に関する諸問題について説明します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.91-99/事後学習:授業内容を復習する。
11回目 講義内容
捜索・押収(1)    
 令状による捜索・差押えの意義、捜索場所・差押物の特定などについて説明します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.100-107/事後学習:授業内容を復習する。
12回目 講義内容
捜索・押収(2)    小テスト4予定
 別件捜索・差押え、令状の執行、逮捕に伴う捜索・差押え等について説明します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.107-123/事後学習:授業内容を復習する。
13回目 講義内容
検証・鑑定処分・通信の傍受    
 検証・鑑定処分、通信の傍受の意義について説明します。
事前事後
学習の内容など
 予習範囲:pp.126-145/事後学習:授業内容を復習する。
14回目 講義内容
被疑者の取り調べ・被疑者の防御・捜査の終結 小テスト5予定
 被疑者の取り調べの法的性質、被疑者の防御、特に弁護人依頼権、接見交通権、証拠保全請求権について説明します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.145-166/事後学習:授業内容を復習する。
15回目 講義内容
14回目授業までの補足・まとめ 
 
事前事後
学習の内容など
14回目授業までの復習をする。
16回目 講義内容
中間試験
事前事後
学習の内容など
15回目までの授業の復習をする。
17回目 講義内容
裁判所
 裁判所の種類、裁判官の種類、管轄、関連事件の管轄、管轄の問題、裁判所の構成、裁判員裁判、除斥・忌避・回避について説明します。
事前事後
学習の内容など
 予習範囲:pp.11-14、199-213/事後学習:授業内容を復習する。
18回目 講義内容
被告人・弁護人/公訴提起(1)  
 当事者能力、訴訟能力、被告人の確定、弁護人の役割について説明します。 
 訴追の原則、協議・合意制度、起訴状の記載事項、公訴事実と訴因、訴因の特定について説明します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.17-34、167-182/事後学習:授業内容を復習する。
19回目 講義内容
公訴提起(2)   
 訴因の予備的・択一的記載、起訴状一本主義、公訴提起の効果、訴訟条件、訴訟条件と訴因、公訴時効について説明します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.182-199/事後学習:授業内容を復習する。
20回目 講義内容
公訴提起(3)  小テスト6予定
 訴因の変更、訴因の拘束力、訴因の変更命令について説明します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.274-289/事後学習:授業内容を復習する。
21回目 講義内容
公訴提起(4)    
 公訴事実の同一性について説明するほか、公訴提起に関する重要事項について再確認します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.288、289および訴因と公訴事実に関する事項の復習/事後学習:授業内容を復習する。
22回目 講義内容
公判手続(1)   小テスト7予定 
 証拠開示、公判前整理手続の意義、予断排除原則との関係、起訴後の強制処分について説明します。
事前事後
学習の内容など
 予習範囲:pp.215-247/事後学習:授業内容を復習する。
23回目 講義内容
公判手続(2)  
 公判期日の手続、被害者の権利保護(被害者参加制度など)、証拠調べ、刑事免責、簡易公判手続、即決裁判について説明します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.35-45、248-273、415-419/事後学習:授業内容を復習する。
24回目 講義内容
証拠法総説(1) 小テスト8予定 
 証拠裁判主義、証明、厳格な証明と自由な証明、証明の必要、挙証責任について説明します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.295-304/事後学習:授業内容を復習する。
25回目 講義内容
証拠法総説(2)    
 挙証責任の転換、証拠の意義、証拠能力について説明します。  
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp305-317/事後学習:授業内容を復習する。
26回目 講義内容
自白の証拠能力・証明力・共同被告人の供述 小テスト9予定  
 自白の証拠能力、補強法則、共犯者の自白と補強証拠について説明します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.317-320、369-372、376-378/事後学習:授業内容を復習する。 
27回目 講義内容
伝聞証拠、非伝聞   
 伝聞法則、非伝聞について説明します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.323-328/事後学習:授業内容を復習する。
28回目 講義内容
伝聞の例外、違法収集証拠排除法則(1) 小テスト10予定
伝聞法則の例外のポイントと違法収集証拠排除法則について説明します。
事前事後
学習の内容など
 予習範囲:pp.329-354、357-367/事後学習:授業内容を復習する。
29回目 講義内容
違法収集証拠排除法則(2)、裁判 
 違法収集証拠排除法則、裁判について説明します。
事前事後
学習の内容など
予習範囲:pp.357-367、381-393/事後学習:授業内容を復習する。
30回目 講義内容
全体のまとめ。 授業アンケート
事前事後
学習の内容など
予習範囲:/事後学習:授業内容を復習する。講義内容の確認
■評価・試験方法
種別 割合 評価基準
定期試験
35%
 
中間試験
35%
 
レポート
 
 
実技・作品等
 
 
日常点(小テスト・課題等)
30%
小テスト3点×10回=30点 小テストの点数は、日常点として扱うため、再試験はありません。
その他
 
 
■評価方法: ABC評価
■教科書
 1.池田秀彦『刑事訴訟法(増訂版)』 創価大学通信教育部発行
■参考書
 1.池田修・前田雅英『刑事訴訟法講義』東京大学出版会
 2.上口裕『刑事訴訟法』成文堂
 3.『刑事訴訟法判例百選第9版』
 4.酒巻匡『刑事訴訟法』有斐閣
■履修上のアドバイス
※毎週の授業に必要な学習時間(小テスト、レポート、課題など): 2時間
■アクティブラーニング実施の有無
なし
■授業や自主学習支援にICTを活用するかどうかの有無
なし
■課題(中間試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける。
■授業で使用する言語
日本語
■担当者のプロフィール
昭和30年佐賀県で生まれる。
1977年創価大学法学部卒業、創価大学法学研究科博士後期課程単位取得
現在、法学部教授
〔研究〕
2016-2018年度・日本学術振興会科学研究費補助金・基盤研究(C)(課題番号16K03377)「被疑者の捜査協力に対する報償―日・独・オーストリア・スイスの法制度比較」
2011-2013年度・日本学術振興会科学研究費補助金・基盤研究(C)(課題番号23530081)「ドイツにおける現代型捜査の包括的研究」

 


     直リンクURL:  https://plas.soka.ac.jp/csp/plas/slb.csp?nd=2019&sm=2&mk=11&lc=93129