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2019年度 シラバス情報表示画面 (R49801)
■科目名
地球市民社会論 (2単位) [LAWP464]
■教員名
山田 竜作 (ヤマダ リュウサク)
科目名の後ろに水色で表示しているものは科目ナンバリングです
■開講期 秋期
■テーマ
グローバル時代の市民・市民社会・デモクラシー
■授業概要
「市民」と「市民社会」をめぐる政治理論的な講義である。従来「市民」とは、一定の政治共同体(典型的には国家)の正式な一員を意味したが、今日では国境を越えた「地球市民」や「世界市民」が語られる。また「市民社会」も、政治社会という「公的領域」を意味する場合と市場という「私的領域」を表す場合を含みつつ、やはり現在ではグローバルな次元で語られる。それらの概念は多義的であり、論者によって何を意味するかが異なるため、同じ言葉を用いていても議論が錯綜しかねない。ゆえに本講義では、「市民」「市民社会」が何を意味しうるのかを1つ1つ解きほぐし、それが20世紀後半から現代に至るデモクラシー理論の文脈にどう位置づけられるのかを考察する。さらには、「地球市民」や「世界市民」あるいは「グローバル・シティズンシップ」を空虚な抽象概念にしてしまわないために、それらを語る際には何が要請されるのかも検討したい。
■到達目標
以下の目標に到達すれば、成績は B評価以上となる。

①「市民」や「市民社会」といった概念の多義性を、理解し説明できる。
②1980年代以降の「市民社会」への注目の背景を、理解し説明できる。
③「地球市民」や「世界市民」を語る際に何が問われるか、理解し説明できる。
■共通科目または各学部ラーニング・アウトカムズとの関係
わが国の法制度・政治制度の基礎となる価値観や基本原則を正確に理解しており、法律上または政策上の問題に対して具体的で的確な判断ができる能力
社会が直面する法律上または政策上の課題がいかなる性質のものかを正確に特定・分析し、そしてその解決のためにはいかなる選択肢がありうるのかを見極め、課題解決の方法を考え出し、わかりやすく伝えることができる能力
英語および第2外国語を学修し、諸外国の様々な価値観や利害の異なる他者の多様な見解を理解するとともに、意見の異なる他者との議論を通じ、コンセンサスを得るための努力をすることができる能力
身につけた知識を総合的に活用し、社会の中の新たな課題にそれらを適用し、創造的なアイデアを通してその課題を解決する方法を考えることができる能力
■授業計画・内容
回数 内容
1回目 講義内容
ガイダンスと問題提起:
なぜ「グローバルな市民社会」を語る必要があるのか
事前事後
学習の内容など
シラバスを熟読してくること。
2回目 講義内容
「市民」とは誰か(1)
・政治共同体の一員たる「公民」としての市民
・シティズンシップと「共和主義」
事前事後
学習の内容など
ポータルサイトにアップロードされるレジュメを事前に読んでくること。
3回目 講義内容
「市民」とは誰か(2)
・資本家階級としての市民
・シティズンシップと「自由民主主義」
事前事後
学習の内容など
ポータルサイトにアップロードされるレジュメを事前に読んでくること。
4回目 講義内容
「市民社会」とは何か(1)
・公的領域としての「市民社会」(政治社会)
事前事後
学習の内容など
ポータルサイトにアップロードされるレジュメを事前に読んでくること。
5回目 講義内容
「市民社会」とは何か(2)
・ブルジョワ社会、階級社会としての「市民社会」(文明社会)
事前事後
学習の内容など
ポータルサイトにアップロードされるレジュメを事前に読んでくること。
6回目 講義内容
市民とデモクラシー(1)
・ナショナル・デモクラシーと代表制
・「国民」と「市民」
事前事後
学習の内容など
ポータルサイトにアップロードされるレジュメを事前に読んでくること。
7回目 講義内容
市民とデモクラシー(2)
・参加デモクラシー
事前事後
学習の内容など
ポータルサイトにアップロードされるレジュメを事前に読んでくること。
8回目 講義内容
市民とデモクラシー(3)
・「新しい社会運動」
・「国家の公共性」と「市民の公共性」
事前事後
学習の内容など
ポータルサイトにアップロードされるレジュメを事前に読んでくること。
9回目 講義内容
国境を越える市民社会(1)
・「新しい社会運動」と世界的な公共圏
・アクターとしてのNGO/NPO
事前事後
学習の内容など
ポータルサイトにアップロードされるレジュメを事前に読んでくること。
10回目 講義内容
国境を越える市民社会(2)
・20世紀後半の「世界的な民主化」
・「市民社会の再発見」
事前事後
学習の内容など
ポータルサイトにアップロードされるレジュメを事前に読んでくること。
11回目 講義内容
冷戦後の「市民社会」と「非市民社会」
・分断化されたグローバル社会(民族、宗教、「文明」)
・アイデンティティと差異
事前事後
学習の内容など
ポータルサイトにアップロードされるレジュメを事前に読んでくること。
12回目 講義内容
グローバル・シティズンシップは是か非か(1)
・シティズンシップと国家
・シティズンシップとナショナリティ
事前事後
学習の内容など
ポータルサイトにアップロードされるレジュメを事前に読んでくること。
13回目 講義内容
グローバル・シティズンシップは是か非か(2)
・国家と切り離されたシティズンシップ
・「市民的資質」としてのシティズンシップ
事前事後
学習の内容など
ポータルサイトにアップロードされるレジュメを事前に読んでくること。
14回目 講義内容
地球市民社会における「対話」
・グローバル時代の「熟議デモクラシー」
・文明間の対話?
事前事後
学習の内容など
ポータルサイトにアップロードされるレジュメを事前に読んでくること。
15回目 講義内容
まとめ
・グローバル時代のデモクラシーのゆくえ
事前事後
学習の内容など
授業への質問や感想を準備してくること。
■評価・試験方法
種別 割合 評価基準
定期試験
90%
設問に対する的確な内容を、筋の通った文章で論述していること。
中間試験
 
 
レポート
10%
学期中に課すレポートを必ず提出すること。
実技・作品等
 
 
日常点(小テスト・課題等)
 
 
その他
 
 
■評価方法: ABC評価
■教科書
■参考書
 1.藤原孝・山田竜作編(2010)『シティズンシップ論の射程』日本経済評論社
 2.千葉眞(1995)『ラディカル・デモクラシーの地平――自由・差異・共通善』新評論
 3.岡野八代(2009)『シティズンシップの政治学――国民・国家主義批判[増補版]』白澤社
 4.M. カルドー、山本武彦ほか訳(2007)『グローバル市民社会論』法政大学出版局
 5.D. ヒーター、田中俊郎ほか訳(2012)『市民権とは何か』岩波書店
 6.G. デランティ、佐藤康行訳(2004)『グローバル時代のシティズンシップ』日本経済評論社
■履修上のアドバイス
デモクラシー論、市民社会論、シティズンシップ論に関係する文献を、自分で図書館等で探して熟読しておくことを強く勧める。
※毎週の授業に必要な学習時間(小テスト、レポート、課題など): 4時間
■アクティブラーニング実施の有無
あり
- プレゼンテーション
■授業や自主学習支援にICTを活用するかどうかの有無
なし
■課題(中間試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
授業時間に限らず、ポータルシステムの機能や電子メールを利用してフィードバックをおこなう。
■授業で使用する言語
日本語
■担当者のプロフィール
〔生年〕1967年 〔出身地〕福島県 〔最終学歴〕英国シェフィールド大学大学院 Ph. D. コース(政治理論専攻) 〔専門分野〕政治理論・政治思想史・現代社会論 〔主な著作〕『大衆社会とデモクラシー』(風行社、2004年)、Democracy and Mass Society: A Japanese Debate (Gakujutsu Shuppankai, 2006)、『シティズンシップ論の射程』(共編、日本経済評論社、2010年)ほか
■定員ならびに履修者選抜方法
特にないが、政治学・政治思想史や、20世紀後半からの現代史に関する予備知識を、あらかじめ持っていることが望ましい。

 


     直リンクURL:  https://plas.soka.ac.jp/csp/plas/slb.csp?nd=2019&sm=2&mk=11&lc=93154