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2019年度 シラバス情報表示画面 (TH6401)
■科目名
哲学概論Ⅱ:教職 (2単位) [TETC221]
哲学概論Ⅱ (2単位) [HUMC212]
言語哲学 (2単位) [HUMC309]
■教員名
蝶名林 亮 (チョウナバヤシ リョウ)
科目名の後ろに水色で表示しているものは科目ナンバリングです
■開講期 秋期
■テーマ
「いいね!」って、つまり、どういう意味?-言語、意味、そして価値
■授業概要
本授業は「哲学概論」という授業の続編的な授業となっています。

「言語哲学」というと少し堅苦しい気もしますが、哲学的な思索を行う上で言葉に関する探究は必ず行わなければならないことであり、その意味で、言語哲学は「第一哲学」であると考える人も多くいます。実際に、プラトンの対話篇を読んでみると、ソクラテスは「善」や「勇気」の意味について繰り返し問うていますが、これはつまり、これらの言葉・概念に関する言語哲学的な探求であると理解することができます。一方で、言語哲学は(本授業でも見るように)、言葉に関する探究に留まるものではなく、言葉と世界・実在の関係という形而上学的な問題にも通じますし、「良い」「悪い」などの価値・倫理を語る上で欠かせない言葉の分析にも通じる、幅の広い学問分野でもあります。

このような重要性と多様性を持つ言語哲学において、特に重要な問題であるとされる言葉が持つ(とされる)「意味」とは何かということに焦点をしぼりつつ、近年の哲学的な議論の紹介につとめていきます。

全体の3分の2くらいの時間を使って言語哲学におけるいくつかの重要な議論・考えを検討し、残りの3分の1くらいの時間を使って応用編とも言える「良い」「悪い」などの言葉に関するメタ倫理学的な問題について検討していく予定です。
■到達目標
(1)言語哲学に関する基礎的な知識を獲得する。

(2)言語哲学における論争についてよく理解し、反対意見も考慮しつつ、説得力のある論証を組み立てて自説を擁護することができる力を養う。

(3)意見が異なる人たちとも実りのある対話を実践することができる力を養う。

これらは、提出課題であるダイアログ・ログと期末課題の提出及び内容によって評価します。具体的な評価の基準については、授業内で詳しい説明を行います。
■共通科目または各学部ラーニング・アウトカムズとの関係
人間と社会と文化に関する基礎的教養と専門的学術を修得し、諸事象を精確に理解し、鑑賞し、評価することができる
母語および外国語を用いて、的確で豊かな自己表現とコミュニケーションを行うことができる
基礎的・専門的学知に基づいて、新しい知識と表現を創造することができる
論理的に思考し、適切な方法で情報の取得と処理を行い、物事の的確な判断ができる
文化の多様性を尊重しつつ、世界市民として、生命の尊厳と平和を志向する
学ぶことの意味を理解し、自律的学修者として、目標をもって自己の成長を図る
人間主義の社会に向かって、他者と協力する姿勢やリーダーシップを発揮する
■授業計画・内容
回数 内容
1回目 講義内容
「意味」について哲学的に考える?-言語学と哲学の関係-
事前事後
学習の内容など
シラバスに目を通してきてください。
2回目 講義内容
固有名の意味を考える①:指示説について
事前事後
学習の内容など
配布資料を読んでくる。
3回目 講義内容
固有名の意味を考える②:記述説について
事前事後
学習の内容など
配布資料を読んでくる。
4回目 講義内容
意味に関する命題説について①
事前事後
学習の内容など
配布資料を読んでくる。
5回目 講義内容
意味に関する命題説について②
事前事後
学習の内容など
配布資料を読んでくる。
6回目 講義内容
意味に関する懐疑主義・1
事前事後
学習の内容など
配布資料を読んでくる。
7回目 講義内容
意味に関する懐疑主義・2
事前事後
学習の内容など
配布資料を読んでくる。
8回目 講義内容
懐疑主義へのいくつかの応答
事前事後
学習の内容など
配布資料を読んでくる。
9回目 講義内容
Speech Act説・1:グライスの説
事前事後
学習の内容など
配布資料を読んでくる。
10回目 講義内容
Speech Act説・2:サールによる発展的擁護
事前事後
学習の内容など
配布資料を読んでくる。
11回目 講義内容
Speech Act説への反論
事前事後
学習の内容など
配布資料を読んでくる。
12回目 講義内容
倫理・価値に関する言語哲学?-言語哲学からメタ倫理学へ-
事前事後
学習の内容など
配布資料を読んでくる。
13回目 講義内容
「良い」「悪い」の意味とは何か?-近年の認知主義の動向(その①)
事前事後
学習の内容など
配布資料を読んでくる。
14回目 講義内容
「良い」「悪い」の意味とは何か?-近年の認知主義の動向(その②)
事前事後
学習の内容など
配布資料を読んでくる。
15回目 講義内容
「良い」「悪い」の意味とは何か?-近年の非認知主義の動向
事前事後
学習の内容など
配布資料を読んでくる。
■評価・試験方法
種別 割合 評価基準
定期試験
40%
期末レポート(授業内容に関する問題を7問ほど出題する予定です)
中間試験
 
 
レポート
30%
ダイアログ・ログ(×2)
実技・作品等
 
 
日常点(小テスト・課題等)
30%
毎週の授業アンケート,毎回の授業の予習(ソクラテス式ノートテイキング)
その他
 
 
備  考
ダイアログ・ログとは、授業に関する問題について、授業外で友人や家族と対話を行い、その内容をまとめたものです。
■評価方法: ABC評価
■教科書

 この授業では教科書は用いません。必要に応じて、資料を配布します。
■参考書
 1.服部裕幸『言語哲学入門』勁草書房 2003年
 2.W.G. ライカン『言語哲学-入門から中級まで』勁草書房 2005年
 3.野本和幸・山田友幸『言語哲学を学ぶ人のために』世界思想社 2002年
 4.飯田隆『言語哲学大全』(IからIV)勁草書房
■履修上のアドバイス
できれば哲学系のベーシック科目を履修していることをお勧めしますが、必須ではありません。哲学にそれほど興味がなくても、言語について興味があるという方でも履修を歓迎します。
※毎週の授業に必要な学習時間(小テスト、レポート、課題など): 4時間
■アクティブラーニング実施の有無
あり
- ディスカッション、ディベート
- グループワーク
■授業や自主学習支援にICTを活用するかどうかの有無
あり
- ポータルサイト(フォーラム、アンケート)を利用
- クリッカーを利用
■課題(中間試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける。
■授業で使用する言語
日本語
■担当者のプロフィール
蝶名林亮(ちょうなばやし・りょう)
創価大学文学部人文学科卒業、ブリストル大学修士課程修了、カーディフ大学博士課程修了、PhD in Philosophy
専門分野:哲学・倫理学
近著:『倫理学は科学になれるのか』、2016年、勁草書房

 


     直リンクURL:  https://plas.soka.ac.jp/csp/plas/slb.csp?nd=2019&sm=2&mk=11&lc=94398