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2019年度 シラバス情報表示画面 (TJ2601)
■科目名
教育社会学 (2単位)
教育の社会学 (2単位) [HUMS333]
教育の社会学 (2単位) [HUMS303]
■教員名
杉山 由紀男 (スギヤマ ユキオ)
科目名の後ろに水色で表示しているものは科目ナンバリングです
■開講期 秋期
■テーマ
教育の社会学的考察
■授業概要
本科目では、教育が実際に行われる場面としての家族、地域、学校、マスコミ、職場、国家、人類社会という集合体のなかで教育を捉え、考察していくことによって、教育の社会性という基本的な特性を学び、その特性の歴史的変化を踏まえて教育の未来について展望します。
本科目は、一方的な講義の形式ではなく、できるだけ学生の皆さんに主体的に参加してもらう形で行ないます。事前にテキスト及び配布資料によって予習について指示しますので、しっかり学んで授業に臨んでもらいます。授業中は、毎回の修得してほしい内容の要点を記したスライドを示しますので、それをめぐって予習内容もふまえ小グループでディスカッションや質疑応答を行い、その中で内容の理解を深め、最後に小テストを行って、内容の理解度を確認します。具体的な授業内容は以下の「授業計画・内容」に記載のとおりです。
■到達目標
教育の社会性という基本的な特性を理解するとともに、教育のもつ保守性と創造性について多面的に把握できる視点を養い、自らの確固とした教育観を身につけることがテーマです。具体的な到達目標は以下のとおりです。

①教育の社会性とはどういうことかについて、教育の主体、教育の客体、教育の場、教育の作用(働きや影響)などに分けて、友人によく分かるように説明することができる。
②教育の持つ保守性(権力生)と創造性について多面的に理解し、複数の具体例を挙げて、説明することができる。
③各社会集団の教育的機能とその歴史的変化について理解し、友人にこれを概略的に説明することができる。
④自ら教育者・被教育者として、より良き教育を実践することができる。
⑤自らの教育観をもち、将来にわたって、生活のなかで
これを少しずつ実践していく態度を身につける。
■共通科目または各学部ラーニング・アウトカムズとの関係
人間と社会と文化に関する基礎的教養と専門的学術を修得し、諸事象を精確に理解し、鑑賞し、評価することができる
母語および外国語を用いて、的確で豊かな自己表現とコミュニケーションを行うことができる
基礎的・専門的学知に基づいて、新しい知識と表現を創造することができる
論理的に思考し、適切な方法で情報の取得と処理を行い、物事の的確な判断ができる
文化の多様性を尊重しつつ、世界市民として、生命の尊厳と平和を志向する
学ぶことの意味を理解し、自律的学修者として、目標をもって自己の成長を図る
人間主義の社会に向かって、他者と協力する姿勢やリーダーシップを発揮する
■授業計画・内容
回数 内容
1回目 講義内容
第1回 ガイダンスと教育社会学への招待
①ガイダンス(授業の概要・到達目標・授業計画・評価方法などの説明)
②教育社会学の視点―教育は内在と超越のダイナミズム(配布資料読解、小グループでのディスカッションで疑問点整理、教員との質疑応答による理解、理解)
③資料配布と次回までの予習内容の指示

<本日の到達目標>                     
①教育社会学の視点とはなにかをとなりの席の人に
 よくわかるように説明することができる。
②教育の社会性、保守性と創造性とはどういうことか
 をとなりの席の人に説明することができる。
事前事後
学習の内容など
配布資料渡邊弘『人間教育の探究』(抜粋)を読んで、予習ノート(内容要約400字程度、感想300字程度、疑問点)を作成し、ポータルのレポート欄に入力する。プリントアウトしたものを授業に持参する。
2回目 講義内容
第2回 教育の社会性 ―教育の歴史と諸定義―
①テキストと予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②質疑・応答 ③講義
④ディスカッション:自然体験と社会体験をめぐって
⑤小テストで内容のふりかえり ⑥資料配布と次回までの予習内容の指示
<本日の到達目標>                     
①教育の歴史を、それが個人のためか社会のためかという観点から整理して、概略をとなりの席の人に説明することができる。
事前事後
学習の内容など
テキスト第1章について予習ノート(内容要約400字程度、感想300字程度、疑問点)を作成し、ポータルのレポート欄に入力する。プリントアウトしたものを授業に持参する。
3回目 講義内容
第3回 教育とパーソナリティ形成 ―クーリーとミードの社会的自我論を中心に―
①テキストと予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②質疑・応答 ③講義
④ディスカッション:あなたの教育観は何モデル?
⑤小テストで内容のふりかえり ⑥資料配布と次回までの予習内容の指示
<本日の到達目標>                     
①教育を受けないことの結果について、狼に育てられた少女の例などを用いてとなりの席の人に具体的に説明することができる。
②「社会化」の概念(第一次・第二次・「教育」との関係)をとなりの席の人にわかりやすく説明することができる。
③クーリーかミードの理論を例に、自我が社会的に形成されることについて、となりの席の人にわかりやすく説明することができる。
事前事後
学習の内容など
テキスト第3章について予習ノート(内容要約400字程度、感想300字程度、疑問点)を作成し、ポータルのレポート欄に入力する。プリントアウトしたものを授業に持参する。
4回目 講義内容
第4回 教育と家族 ―家族の教育的機能とその変容―
①テキストと予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②教員との質疑・応答
③ディスカッション:なにによって愛情を支えるか?
④小テストで内容のふりかえり ⑤資料配布と次回までの予習内容の指示
<本日の到達目標>
①家族の社会化機能とは基礎的・基底的な思考・行動様式の内面化であるとはどういう意味かをとなりの席の人に具体的に説明することができる。
②日本の家族の変化とその社会的背景をとなりの席の人に端的に説明することができる。
③家族の社会化力・教育力が著しく低下していることについて、となりの席の人に説明することができる。
事前事後
学習の内容など
テキスト第4章について予習ノート(内容要約400字程度、感想300字程度、疑問点)を作成し、ポータルのレポート欄に入力する。プリントアウトしたものを授業に持参する。
5回目 講義内容
第5回 教育と子どもの仲間集団 ―仲間集団の変容
①テキストと予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②教員との質疑・応答
③ディスカッション:仲間集団は生き残れるか?
④小テストで内容のふりかえり ⑤資料配布と次回までの予習内容の指示
<本日の到達目標>                   
①仲間集団の集団としての特徴とその教育的機能について、となりの席の人に端的に説明することができる。
②教育の観点からみた仲間集団の現状について、となりの席の人に概括的に説明することができる。

事前事後
学習の内容など
テキスト第5章について予習ノート(内容要約400字程度、感想300字程度、疑問点)を作成し、ポータルのレポート欄に入力する。プリントアウトしたものを授業に持参する。
6回目 講義内容
第6回 教育と地域社会 ―地域の教育力とは―
①テキストと予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②教員との質疑・応答
③ディスカッション:地域社会の存在意義とは?
④小テストで内容のふりかえり ⑤資料配布と次回までの予習内容の指示
<本日の到達目標>                   
①近隣集団の集団としての特徴を、家族や仲間集団など他の集団の特徴との比較において、となりの席の人に端的に説明することができる。
②近隣集団の教育的機能とその現状について、となりの席の人に概括的に説明することができる。

事前事後
学習の内容など
テキスト第5章について予習ノート(内容要約400字程度、感想300字程度、疑問点)を作成し、ポータルのレポート欄に入力する。プリントアウトしたものを授業に持参する。
7回目 講義内容
第7回 教育と学校① ―学校集団の特性―
①テキストと予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②教員との質疑・応答
③ディスカッション:学校は特殊な社会?
④小テストで内容のふりかえり ⑤資料配布と次回までの予習内容の指示
<本日の到達目標>                   
①家族や仲間集団など他の集団と比較して、学校集団の社会化の特徴5点を、となりの席の人に端的に説明することができる。
②校則は誰のためにあるかを考えながら、子どもの教育と学校の秩序維持の関係(個人と集団のあるべき関係)について、自分なりの見解をもつ。
事前事後
学習の内容など
テキスト第6章について予習ノート(内容要約400字程度、感想300字程度、疑問点)を作成し、ポータルのレポート欄に入力する。プリントアウトしたものを授業に持参する。
8回目 講義内容
第8回 教育と学校② ―学校の教育的機能とその歴史的変化―
①テキストと予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②教員との質疑・応答
③ディスカッション:学校の教育的機能は高まっているのか低下しているのか?
④小テストで内容のふりかえり ⑤資料配布と次回までの予習内容の指示

<本日の到達目標>             
①学校の社会化機能の特徴3点を、となりの席の人に端的に説明することができる。
②学校における社会化の問題点について、自分なりの見解を持ち、それをとなりの席の人に端的に述べることができる。
事前事後
学習の内容など
テキスト第7章について予習ノート(内容要約400字程度、感想300字程度、疑問点)を作成し、ポータルのレポート欄に入力する。プリントアウトしたものを授業に持参する。
9回目 講義内容
第9回 教育とマスコミ ―マスコミュニケーションの教育力―
①テキストと予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②教員との質疑・応答
③ディスカッション:マスコミの影響は大きいか小さいか?
④小テストで内容のふりかえり ⑤資料配布と次回までの予習内容の指示
事前事後
学習の内容など
テキスト第8章について予習ノート(内容要約400字程度、感想300字程度、疑問点)を作成し、ポータルのレポート欄に入力する。プリントアウトしたものを授業に持参する。
10回目 講義内容
第10回 教育とニューメディア―
①テキストと予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②教員との質疑・応答
③ディスカッション:ニューメディアの影響力
④小テストで内容のふりかえり ⑤資料配布と次回までの予習内容の指示
事前事後
学習の内容など
配布プリントについて予習ノート(内容要約400字程度、感想300字程度、疑問点)を作成し、ポータルのレポート欄に入力する。プリントアウトしたものを授業に持参する。
11回目 講義内容
第11回 デュルケム・デューイ・牧口 ―知育と徳育と体育の関係について―
①テキストと予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②教員との質疑・応答
③ディスカッション:自然体験・社会体験の意義とは?
④小テストで内容のふりかえり ⑤資料配布と次回までの予習内容の指示
<本日の到達目標>                   
①知育と徳育のあり方に関するデューイ、牧口、デュルケムの主張の共通点を理解し、となりの席の人に端的に説明することができる。
②職業体験と道徳性の関係について、自分なりの見解を持ち、それをとなりの席の人に端的に述べることができる。
事前事後
学習の内容など
テキスト第9章を読んで予習ノート(内容要約400字程度、感想300字程度、疑問点)を作成し、ポータルのレポート欄に入力する。プリントアウトしたものを授業に持参する。
12回目 講義内容
第12回 教育と逸脱行動 ―少年非行―
①テキストと予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②教員との質疑・応答
③ディスカッション:テレビゲーム 是か非か?
④小テストで内容のふりかえり ⑤資料配布と次回までの予習内容の指示児童虐待問題
①テキストと予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②教員との質疑・応答
③ディスカッション
④小テストで内容のふりかえり ⑤資料配布と次回までの予習内容の指示
事前事後
学習の内容など
テキスト第10章について予習ノート(内容要約400字程度、感想300字程度、疑問点)を作成し、ポータルのレポート欄に入力する。プリントアウトしたものを授業に持参する。
13回目 講義内容
第13回 児童虐待問題
①テキストと予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②教員との質疑・応答
③ディスカッション
④小テストで内容のふりかえり ⑤資料配布と次回までの予習内容の指示
事前事後
学習の内容など
テキスト第11章を読んで予習ノート(内容要約400字程度、感想300字程度、疑問点)を作成し、ポータルのレポート欄に入力する。プリントアウトしたものを授業に持参する。
14回目 講義内容
第14回 不登校と引きこもり問題
①テキストと予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②教員との質疑・応答
③ディスカッション
④小テストで内容のふりかえり ⑤資料配布と次回までの予習内容の指示
事前事後
学習の内容など
配布教材「地球市民教育への一考察」について予習ノート(内容要約400字程度、感想300字程度、疑問点)を作成し、ポータルのレポート欄に入力する。プリントアウトしたものを授業に持参する。
15回目 講義内容
第15回教育と人類社会 ―「人間教育」を考える②―
①予習プリントをもとに小グル-プで意見交換・理解の確認・質問事項の整理 
②教員との質疑・応答
③ディスカッション:本学の建学の精神である「人間教育」とは何か?
小テストで内容のふりかえり ⑤まとめ:人間教育について ⑥携帯電話での授業アンケート回答
事前事後
学習の内容など
試験に備えて総復習をしてください。
■評価・試験方法
種別 割合 評価基準
定期試験
50%
 
中間試験
 
 
レポート
30%
テキスト・配布資料意の要約(400字程度)と感想(200字程度)と疑問点をA4の予習ノート1枚にまとめ、ポータルに入力し、プリントアウトしたものを授業に持参・提出してもらいます。
実技・作品等
 
 
日常点(小テスト・課題等)
20%
毎回小テストを行います。
その他
 
 
備  考
毎回の予習ノート(30点)、毎回の小テスト(20点)、定期試験(50点)によって到達目標をどの程度達成できたかを判断し、ABC評価を行います。
■評価方法: ABC評価
■教科書
 1.住田正樹・高島秀樹編著『変動社会と子どもの発達』北樹出版、2015年。(2100円+税)
■参考書
 1.渡邊弘『人間教育の探究』東洋間出版社、2006年。
 2.牧口常三郎『創価教育学体系Ⅰ』聖教文庫、1972年。
 3.J.デューイ『学校と社会』宮原誠一訳、岩波文庫、1957年。
 4.E.デュルケム『道徳教育論』麻生誠・山村健訳、講談社学術文庫、2010年。
 5.ブルデュー&パスロン『再生産』宮島喬訳、藤原書店、1991年。
■履修上のアドバイス
特にありませんが、教職志望の皆さんをはじめ、どうぞ積極的に履修してください・
※毎週の授業に必要な学習時間(小テスト、レポート、課題など): 1時間 30分
■アクティブラーニング実施の有無
あり
- ディスカッション、ディベート
- グループワーク
■授業や自主学習支援にICTを活用するかどうかの有無
あり
- ポータルサイト(フォーラム、アンケート)を利用
■課題(中間試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける。
授業時間に限らず、ポータルシステムの機能や電子メールを利用してフィードバックをおこなう。
試験やレポート等について、添削、返却をおこなう。
■授業で使用する言語
日本語
■履修するために必要な語学スコア基準
特にありません。
■担当者のプロフィール
宮城県出身。創価大学大学院博士後期課程単位取得退学。理論社会学専攻。現在、本学文学部人間学科教授。著書に『社会学のプロフィール』(共著)、『現代の社会学 21世紀へ』(共編著)、『日仏社会学叢書 第4巻 日仏社会論への挑戦』(共編著)。
■定員ならびに履修者選抜方法
定員はありません。

 


     直リンクURL:  https://plas.soka.ac.jp/csp/plas/slb.csp?nd=2019&sm=2&mk=11&lc=94426